日本とは多くの共通点を持つ台湾ですが、近年においては同じような社会問題を抱えています。

 

それがまさしく少子高齢であり、出生率が日本よりも低い台湾ではより深刻な問題と言えるでしょう。

 

日本では老いては若い人に世話してもらうのが当たり前という概念が昔ながらに存在していましたが、最近では社会構造の変化もあってそれが一概に言いにくい世の中になっていることも事実です。

 

今回は、台湾における高齢者介護の実情を日本との違いを合わせて検証していきます。

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高齢者介護に関する日本と台湾での大きな違いは?

途轍もなく速いスピードで進む社会の高齢化。それは日本も台湾も変わりはありません。

 

しかし、日本と台湾では高齢者に対する意識が異なっているのも確かで、それが社会制度の違いとしても現れています。

 

国民皆保険が実現されている両国ですが、高齢者介護においての違いについて簡単に見ていきましょう。

台湾では高齢者施設の数が圧倒的に足りていない

まず、日本と台湾にて高齢者介護における最大の違いと言えば、高齢者施設の数が圧倒的に異なる点にあるのではないでしょうか?

 

日本ではいわゆる入居型の老人ホームと呼ばれるものが約5000施設存在していますが、台湾では同様のタイプになると約1000施設程度しかありません。

 

人口比から言うとそれほど開きがないような感じもしますが、台湾では正規職としての介護スタッフの育成が進んでいない現状があります。

 

実際、台湾の高齢者施設では写真のようにボランティアに頼って運営されている実情もあり、人材の確保が日本以上に厳しいことが分かるでしょう。

高齢者介護そのものの意義が台湾では浸透に遅れ

台湾ではやはり華人思想としての高齢者は自宅で面倒を見るという考えを持つ人も少なくなく、そのことがプロフェッショナルとしての介護スタッフの育成の遅れに繋がっています。

 

日本でも現在は運営が厳しくなっている介護保険も1990年代末に導入されていますが、台湾の場合は高齢者の財源確保もより厳しいでしょう。

 

住宅事情が日本よりも悪化している台湾では高齢者の在宅介護はかなり困難であり、日本のように自治体による公営住宅もほとんどない現状も本来希望する在宅介護も進められないという2重の困難が生じているのです。

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台湾介護における日本の高齢者介護制度との共通点

それでも、日本と台湾の高齢者の介護については制度的に類似する部分もあり、ここはある意味共通点と言っても良いでしょう。

 

近年は特に台湾側も日本の高齢者介護制度を参考にすることも多くなっているので、今後は2国間における制度の違いはより少なくなっていくはずです。

日本の介護士に近い【照護服務員】という国家資格

まず、日本の介護福祉士に該当するものは台湾にも存在しており、【照護服務員】と呼ばれる方々になります。

 

ただ、中国語では【照護】が介護と同じ意味になり、事実上日本の介護福祉士と同じ役割を果たしているでしょう。

 

実際、この資格がなければ台湾国内のあらゆるタイプの高齢者施設における業務に従事することができず、台湾でも急ピッチでこの人材育成が進められているのです。

フルタイムにデイサービス以外にも在宅介護の分類

また、台湾にも入居が必要なフルタイムでの高齢者施設だけでなく、高齢者が定期的に施設に通って機能訓練やリフレッシュを進めるデイサービスやショートステイなども存在しています。

 

在宅介護、台湾では【居家照護】と呼ばれる概念が当然ありますが、訪問介護においても施設介護と同様に【照護服務員】による業務が進められなければなりません。

 

このように、制度内の施設タイプの枠組みは日本とほとんど同じであるのですが、やはりそれを運営するスタッフ数が充実していないのです。
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台湾の高齢者介護が抱える日本よりも根深い問題!

さて、ここでは台湾の高齢者介護が抱えている日本よりも根深い問題をチェックします。

 

台湾におけるインフラ整備などの公共工事の多くは、タイやフィリピンからの出稼ぎ外国人によって担われているのは周知の通りです。

 

これを見るだけで、台湾において高齢者介護に従事する弱年齢層がいかに少ないかは容易に想像できるでしょう。

社会で最も美徳とされる在宅での介護がより困難に

この台湾における社会の慢性的な担い手不足は、本来台湾人自身が美徳として描いていた在宅介護をより困難なものにしています。

 

日本でも看護職や介護職を海外から招聘する動きはずいぶん前からありますが、台湾では外国人労働者の確保も難しくなっているのです。

 

台湾は特に南部出身者になると北部への就職のために故郷を離れて、ルームシェアすることも多いので日常的な高齢者の在宅介護は非現実的なものになりつつあるでしょう。

介護に掛かる費用が所得比で日本よりもかなり高め

また、台湾の老人ホームは日本の老人ホームと比べて所得から見るとずいぶん高めな傾向にあります。

 

日本における某社会福祉法人経営の老人ホームの例になると、4人部屋の1か月当たりの費用は約7万2千円

 

一方、台湾における同程度の老人ホームになると、日本円で11万円から12万円の費用が課される場合もあるでしょう。

 

台湾でもある程度の補助が受けられる制度があるにしても、各家庭の費用捻出がかなり厳しいことが理解できます。

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